-今回の「桜(はな)もよう」の見所を教えてください。

やっぱり桜の国、日本の良さですね。1月下旬から咲き始める沖縄から始まり、北海道までたどりつくまでの4か月。北上する桜前線で日本の良さを撮りました。

-写真展のテーマはどのように決められたのですか?

今まで八甲田、光、水、森をテーマに写真展をしてきました。次に何をやろうかな、と考えたときに、自然に桜にいきつきました。 東日本大震災のあと、何もかも止まってしまった自分の思いがありました。撮影に行くのもためらう位のショックの中で、ふと4月に自宅のすぐ下にある桜の木を見上げたとき、ものすごく救われた気持ちになり、改めて「桜ってやっぱり良いな」と。そのときに桜の魅力を改めて再認識し、まとめてみようと考えました。 それ以来、いつか展示を、という思いで桜を撮りに行く回数を増やして撮り直しにも行きました。そして今回の展示に至りました。

-かなりの時間をかけて撮影されていますよね。

この写真集の作品は10年以上かけて撮りためたものになります。 桜の時期はあっという間で同時期に咲くことも多いので、毎年撮りにいくところを決めて集中して撮影しています。日本は狭いといいながらもやっぱり広い。一人でまわるには限界がありますから、数年かけて撮影をしていますね。それから以前いったことのある場所でイメージと違うな、と思えば撮り直しもいきますし、好きな桜は何度も撮りにいってしまいます。パッといって1年、2-3年で撮れるものではないですし、再度訪れたときにそばに違う花を見つけて、でも蕾だからまた来よう、とか。やはり時間はかかってしまいます。紅葉と桜だったり、すすきと桜だったり、不思議なとりあわせですよね。 そういった色々な桜の表情を伝えられたら良いな、と思います。

-今回の写真集の中で一番のお気に入りや印象に残ったものなどを教えてください。

よく聞かれる質問ですね(笑)。今回に限らずですが、収蔵した作品はどれも同じ位 好きですので選ぶのは難しいですね。

-これまで何冊もの写真集を出されていますが、作品を「写真集」として残すことの拘りについて聞かせてください。

写真展は期間限定なので、記憶に残すものですよね。会期が終われば消えてしまう。 一方で写真集は永遠に残る。ふと思いかえしたときに何度も見返すことができます。写真展会場に展示しきれない作品も含め、多くの作品を見ていただくことができる写真集は、自分の表現を凝縮することができる写真展とは別の「作品」「表現手段」です。 私はずっと同じ出版社から写真集を出しているので、シリーズで見ていただけるし 「米美知子」としての表現を凝縮する写真集は、名刺がわりの1冊にもなるのです。 ですので、私にとって写真集にして残すということは本当に大事なことだと考えています。

-タイトルも素敵ですね。

今回は「桜」をテーマに作りましたのでこのタイトルで。 「さくらもよう」より「はなもよう」と読んだ方が良いかな、と。よく造語を使ってしまうんですよね(笑)

-最後に写真集の購入を考えている方へメッセージをお願いします。

写真展は銀座・梅田・名古屋で開催するのですが、3か所での展示で遠方の方に見ていただくのが難しいことが心苦しいなと感じています。
そういった意味もあって、写真展と同クオリティーの写真集を見ていただけたら嬉しいな、という思いを込めて作りました。会場にサンプルを展示してありますので見に来られる方は是非手にとって、その品質を感じていただきたいです。
お手元に届いたとき、きっと感動していただける写真集になっていると思います。
私は写真を撮ることが仕事ですが、デザインを考えてくださった方、箱を作ってくださった方、皆さんのアイデアが詰まった写真集です。随所に仕掛けがありますので是非そこも見つけて楽しんでもらいたいです。

ロットナンバーを入れますので、どのナンバーが来るかはお楽しみですが そのロットナンバーを手にしているのは世界で一人だけ。そういった、コレクションとしての喜びも味わっていただけると嬉しいな、と思っています。

-遊び心が随所に散りばめられた今回の写真集。既に沢山の方からの問い合わせが あると伺っています。写真展が終わったあとも、いつでも写真展の記憶が蘇る まさに「写真展クオリティー」の豪華写真集ですね。
米さん、ありがとうございました。

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